#010 - Space Mouse2008-05-21

芸夢狂人氏 最高傑作

Space Mouse - PCG版
「Space Mouse」(Compac:1981) は、雑誌「I/O」(工学社)に掲載されたゲームです。 作者の 芸夢狂人 氏は、当時「I/O」でたくさんのゲームプログラムを発表していました。 氏の作品の多くは「ギャラクシアン」などのアーケードゲームを移植作が多かったのですが、「Space Mouse」はオリジナルの作品です。 シンプルで面白く、色々な機種に移植されました。

HOW TO PLAY

このゲームには、壮大なストーリー設定があります。 まずはそれから ご紹介します。
2060年、ベガ星域へ進出した人類は、惑星「アルドス」を発見。 アルドスは「第2の地球」と呼ばれ大発展を遂げた。 しかし2095年、アルドスは突然UFOの大軍団に襲撃される。 エイリアンは銀河連盟の条約により禁止されている生物兵器「スペース・マウス」を投入した。
スペースマウスは、本来はペテルギュース星系に生息する草食性のおとなしいネズミであったが、エイリアンによって遺伝子操作を施された。 体長は1m、体重は100kg、繁殖力が強く3日で倍に増えるといわれる。 そしてその歯はチタジュラミウムさえも食い破る。 呼気の中にカドヒソクロムが含まれているため空気は汚染され、人間には呼吸不可能となる。 光線銃は効かず、倒すには分子破壊銃が必要である。 人類の抵抗もむなしく、アドルス全土はたちまちのうちにマウスで埋め尽くされ、ついに地球政府はアルドスからの非難を命じた。 そしてマウスを全滅させるために、惑星に重力爆弾を撃ち込むことを決定した。
…あなたは、250階の高層ビル「第5科学局」の地下でスペースマウスの研究をしていた。 研究の結果 ついにマウスの弱点を発見したが、研究に没頭するあまり、避難命令を聞き逃してしまったのだ。 脱出するためには屋上に行って宇宙船に救出してもらうしかない。 エレベーターは全て止まっているので、階段しか使えない。 ビル内にはマウスが徘徊しているし、空気も汚染しているため酸素ボンベを背負って行かないといけない。 そして、ビルには武器が何もない。 しかしあなたは、発見したマウスの弱点を アルドスが破壊される前に伝えるために、屋上を目指して登っていくことにした。

Space Mouse - 画面説明
プレイヤーはテンキーの[4][6]で左右に、[8]で上に移動します。 下には移動できません。 マウスをよけつつ、250階を目指します。 マウスは上から下へとひっきりなしに降りてきます。 マウスと接触すると死んでしまいます。 時々、パワー・エサが降りてくるので、これをキャッチすると一定時間 床を突き破って上にすすむことができるようになります。 ただし、パワーアップ中であってもマウスに接触すると死亡してしまいます。
画面左のバーは酸素の残量です。 時間が経つにつれて減り、酸素が0になってもやはり死亡してしまいます。
プレイヤーは6人いて、これが全滅するとゲームオーバーです。 屋上につくと1面クリアとなり、再び1階からゲームが再スタートとなります。 1フロア上るごとに、(10×面数)pts、パワー・エサを食べると(50×面数)ptsです。 面クリア時の酸素量に応じてもボーナス得点が入ります。 5,000ptsを超えると1人増えます。

STRATEGY

Space Mouse - マウスの移動パターン
マウスの移動方法には法則があります。 その法則を理解した上でプレイすることが重要です。 パワー・エサも、マウスと同じアルゴリズムで移動しています。
各フロアには1~6箇所の穴があいています。 マウスは穴があると必ず下に降ります。 しかし、穴を移動中のマウスがいる場合は、そこは「穴」ではなく「床」扱いとなってしまいます。 写真のような配置のときは、安全のように見えますが、マウスが非常に多くなり、★の場所にマウスがいると、そこには穴がないという判定となり、そのまま右方向に移動してしまいます。
マウスが多くなってきた場合は、隙をねらうか、パワー・エサを待つ、あるいは一人犠牲にするの3択となります(死ぬと、画面内のマウスがクリアされた状態で再開します)。 安全地帯を探して待つよりも、とにかく上に向かって攻めて行くプレイをする方が、生存率が高い気がしました。 状況を改善するには、まずは上のフロアに昇ってみましょう。
1~99階、100~199階、200~250階の3段階で、マウスの出現頻度が高くなっていきます。

IMPRESSION

Space Mouse - まもなく100階に到着! しかし死亡…
とてもスピーディーでテンポがよく、楽しいゲームです。 同じ列に連続した穴を使って一気に昇るとき、あるいはパワー・エサをGETして床を突き破って一気に昇るときはとても「気持ち良く」感じます。 フロアが上のエリアになるにつれ、壁の色が緑(1~99階)→青(100~150階)黄(151~199階)→赤(200~250階)と変わっていくことも緊張感を演出しています。
酸素は、プレイヤーが死ぬごとにリセットされ、満タンで再スタートします。 テンポが速いため、マウスと接触して死ぬことはあっても、酸素が0になって死ぬことは ほとんど発生しません。 残り酸素量がクリア時のボーナスとなりますので、クリア直前にわざと死んで、酸素を満タンにしてクリアする方とスコアが高くなります。 酸素の部分だけは若干システムと噛み合っていない印象でした。 とはいえ、それがゲームの面白さを損なっていることはありません。
3つしかキーを使わなく、プレイ時間も短いので、今でも気軽に、かつ手軽に遊べる大変優れたゲームだと思います。

APPENDIX

Space Mouse - 屋上に到達!
芸夢狂人氏の本名は鈴木孝成 氏。 日本初のスタープログラマーと言える存在です。 「ルリタテハ」「ファルコンS」というペンネームでもゲームを発表されていました。 『みんながコレで燃えた! NEC8ビットパソコン PC-8001・PC-6001』(アスキー:2005)に鈴木氏のインタビュー記事があり、その中で「『Space Mouse』が自分の作った作品の中でも特にお気に入り」と答えています。 芸夢狂人氏については、こうやま の ほをむぺゐぢ 様に詳しい解説があります。
「Space Mouse」は、PC-8001と、PC-8001+PCG-8100(HAL研究所制作の拡張ハード)の2つに対応していました。 今回はPCG版を使ってレビューしました。
原作者許諾済みのWindows移植版としてkeigoさん作の「うちゅちゅ~」というゲームもあります。

タイトル
Space Mouse
発表年
1981年
作者
芸夢狂人 (鈴木孝成)
プラットフォーム
PC-8001
パブリッシャー
Compac
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