#015 - Dragon's Lair ― 2008-07-13
ディズニー・クオリティのアニメゲーム
「Dragon's Lair」(Cinematronics:1983) は、LDゲームの中でも最も有名なタイトルです。 LD (レーザーディスク) ゲームとは、レーザーディスクの映像を利用したアーケードゲームのことです。 当時はコンピュータのグラフィック性能が進んでいなかったことから考えられたシステムといえます。 ゲームのために描き起こされたオリジナルのアニメーションが、プレイヤーのレバーとボタンの操作で進行していきます。 今回は、AMIGA版を使ってレビューしてみます。
HOW TO PLAY
主人公は、剣士のダーク (Dirk)です。 Dragonによってお城に幽閉されたダフネ姫 (Princess Daphne)を救うのが目的です。4方向レバーとボタンでプレイをします。 レバーは移動方向、ボタンは攻撃と考えていて構いません。 画面写真を見ると分かりますが、ゲームというより完全に「アニメーション」です。 プレイヤーが操作しなくてもアニメーションが進行していきます。
主人公のダークは、罠に落ちたり、化け物に襲われたり、様々なピンチに遭遇します。 その "ピンチ" の瞬間に、プレイヤーはレバーやボタンで "正しい行動" をダークに指示します。 たとえば、「左に行け」とか、「剣を振る」などの指示を入力することになります。 タイミングよく、"正しい行動" を入力することができれば、ピンチから脱出するアニメーションが流れ、次のシーンへと進みます。 入力を間違えたりタイミングに失敗すると、ダークがピンチから脱出できずに死んでしまうアニメーションが流れて、そのシーンからのやり直しとなります。 ダークが3回死んでしまうと、ゲームオーバーです。
STRATEGY
他のLDゲームでは、何をいつ入力すればよいか、画面の中に矢印などのグラフィックで表示されるものが多いのですが、このゲームではそのような表示が全くありません。 「扉の色が変わる」等、映像の中にヒントが示されるときもありますが、かと言って何を入力すればいいのか分かるわけでもありません。結局、アニメーションの展開から、正解とタイミングを「予測」して入力し、何回も死んで正解を探すしかありません。 非常に難しいゲームです。 レビューにあたっては、攻略ページを参考にプレイしましたが、それでもタイミングがわからない箇所が多く、何回もゲームオーバーとなりました。
ゲーム自体は単純な「覚えゲー」ですから、美麗なアニメーションの「続きを見たい」という気持ちだけが、このシビアなゲームをプレイする動機でしょう。 その気持ちが強くなければ、プレイするのは困難だと思います。
IMPRESSION
残念ながら、私はこのゲームの実機を見たことがありません。 AMIGA版は、LDのアニメーションを16色に落として AMIGAで再生できるものに作り直したものとなっています。 YouTubeには実機のムービーがいくつも公開されていますが、それを見ると、AMIGA版のアニメーションは非常によくできていますが、やはりオリジナルのアニメーションの迫力には遠く及ばないようです。 今もなお 「Dragon's Lair」のファンサイト (下記 INFORMATION 参照) がいくつかあることからも、このゲームの魅力はシステムというよりもアニメーションの素晴らしさに尽きるのでしょう。それもそのはず、「Dragon's Lair」のアニメーションを手掛けているのは Don Bluth 氏。 ディズニー映画「ビアンカの大冒険」(1981)のアニメーション監督であり、スピルバーグ制作の「アメリカ物語」(1986)や、「アナスタシア」(1997)では監督を務めている人なのです。
調べてみると「Dragon's Lair」はDVD版や、Blu-Ray版(プレイヤーだけで遊べるようになっているもの)がリリースされているようですので、機会があれば改めてオリジナルのアニメーションがどれ程のクオリティであったか、見てみたいと思いました。
APPENDIX
「Dragon's Lair」に続いて、Cinematronics社はDon Bluth氏を起用したLDゲーム「Space Ace」(1984)をリリースしています。 こちらは宇宙冒険ものです。 「Dragon's Lair」の続編 「Dragon's Lair II : Time Warp」(1991)は、Leland社からリリースされました。ファミコンや、PS2などで、「Dragon's Lair」を題材としたアクションゲームもリリースされています。 この辺からも、オリジナルタイトルの人気ぶりが伺えます。
LDゲームは、「Dragon's Lair」のようなアニメーションが進行するタイプと、LDの映像を背景に利用し、その上でゲームをするタイプの2種類に分けられます。 前者は「タイムギャル」(Taito:1985)、後者は「アストロンベルト」(Sega:1983) や 「Fire Fox」(Atari:1983)などが挙げられます。 LDゲームは メディアの性質上、他のハードに移植されているものが少ないため、今後歴史に埋もれていく可能性が高いのではと、私は心配をしています。
しかし、LDゲームで開発された "映像を操作する遊び" は「ダイナマイト刑事」(Sega:1996)のゲーム中イベントや、 「God of War」(SCE Studios Santa Monica:2005)のContext-Sensitive Attackシステム等、近年のゲームに引き継がれています。
- タイトル
- Dragon's Lair
- 発表年
- 1983年
- 作者
- Don Bluth (アニメーション)
- プラットフォーム
- Arcade
- パブリッシャー
- Cinematronics
- 関連サイト
- Dragon's Lair Fans






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